ひとりだからこそ気楽に過ごせる場所を見つけたい(イメージ)
夫婦はいつか必ずひとりになる。その事実から目を背けていると、いざ配偶者に先立たれた時、数多の難題に対処できない。いつ“その時”が来ても慌てないよう「正しい備え」を解説する。ひとりで生きるために確保したい居場所とは──。
孤独はOKでも孤立はダメ
“ひとりは不幸”は思い込みに過ぎず、ひとりのほうが幸せになれることがある。ひとり暮らしの誤解についてシニア生活文化研究所代表理事の小谷みどり氏が指摘する。
「よく家族といるのが幸せと言われますが、私が知るシニアのなかには家族がいると気を遣い、ストレスが溜まると考えている人も多いです」
話し相手がいないと人生が寂しくなる、という決めつけも避けたい。
「ひとり暮らしの高齢男性の4割しか毎日誰かと会話していないとの調査(国立社会保障・人口問題研究所「2022年生活と支え合いに関する調査」)がありますが、会話の頻度が低くても孤独を感じない人も多く、人と話さないから不幸とは限りません。
最近は自分が話さなくても雑踏に身を置くことを好む人が増えています。私が関わっているシニア食堂にも、自分からはほとんど喋らないけどその場にいることを楽しむ参加者が結構います」(小谷氏。以下「 」内同じ)
ひとりの人は地域や人とつながらなければならないとの思い込みも誤解だ。人の声がある場所に出かけるだけでいい。
「大切なのは“孤独はOKだが孤立はダメ”ということ。周囲とのつながりが完全に切れると困った時に助けを求められないので、人がいる場に出かけるといいでしょう。そこで深くつながらなくても定期的に姿を見せておけば、“あの人、最近どうしているかな”と気にしてもらえます」
規則正しい生活をしなくてはならない、という考えも持たなくていい。ひとりで暮らすことの大きな利点は「自由」が得られることだからだ。
「食べたいものを食べて寝たい時に寝ればいい。自分の時間を好きなように使えるのはとても贅沢で幸せなことです」
