では、ユーザーたちは、この「稼働貢献」という指標から何を読み取っているのだろうか。それは主に「勝てる機種かどうか」を判断する材料になっているという。
「ホール営業の基本として、稼働率が高い機種のほうが出玉でサービスしやすいという傾向があります。パチスロであれば“設定”によって各台の出玉率をホール側が決めることができ、高設定台を入れることで出玉でサービスをしていることをアピールできます。でも、稼動が悪い機種だと、高設定を入れてもユーザーに打たれないことも多く、アピールにならない。
たとえば、10台設置している機種のうち、2台に高設定を入れて、そのほかを低設定にしておくとします。その10台がすべて稼働するような人気機種であれば、2台の高設定台で出玉をアピールできるし、そのほかの低設定台で売上を確保できる。逆に誰も打っていないような人気のない機種であれば、高設定を入れても出玉アピールができないし、仮にその高設定台が稼働したとしても、そもそも人気がない機種なので、他のユーザーがその機種に座る可能性が低く、売上を確保するのが難しい。
ユーザーはこういった事情を理解しており、“人気がある(=稼働貢献中の)機種のほうが勝ちやすい”というのが定説になっています。つまり、稼働貢献が終了した機種よりも、稼働貢献中の機種を選ぶユーザーが多いということです」
稼働貢献だけを参考にしても勝てない
ユーザーの間でも定着する「稼働貢献」という指標は、その機種の「人気」を表すものだが、ホールにとっては稼働貢献中の機種だからといって、利益につながりやすいわけではない。
そもそも「稼働率」は、「アウト」と呼ばれる「打ち込んだ玉の数」「投入されたメダルの数」を基準に算出される。1日あたりフル稼働した状態を稼働率100%として、フル稼働時の「アウト」に対する実際の「アウト」の割合が稼働率となるのだ。
「ホールの利益につながるのは、ユーザーが投入した金額です。持ち玉まで遊技している時間が長いと『アウト』は大きくなっても、売上を確保できず、稼働率が高くても利益にはつながりにくいということになります。
裏を返せば、持ち玉遊技が長くなりやすい“甘めのスペック”の機種の場合、ホールとしては出玉でサービスしにくいと言える。ユーザー目線で言えば、稼働貢献中の機種であっても、スペックが甘い場合、あまり出玉でのサービスが望めないといったケースも十分にありえるというわけです。ユーザーは稼働貢献だけを参考にしても、簡単に勝てるわけではないということです」
さまざまな条件が入り組む中で、ホールとユーザーはそれぞれの利益を求めて、機種選びの駆け引きをしているのだ。