大きすぎるリアクションに複雑な思いも(写真:イメージマート)
日本政府は2030年までに6000万人の訪日外国人旅行者数を目指すといい、2025年は過去最多の4268万人となった。食生活も文化も違う人々が日本にたくさん訪れると、飲食店では時に困惑する場面にも出くわすという。自身も飲食店でバイトをしているネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、飲食店関係者たちの声を集め、“外国人客で困ること”についてレポートする。
ラッキョウを噛んですぐに口からブワッ
ほとんどの外国人客に対しては違和感はないものの、時々訪れる「あまりにもインパクトの強い客」は外国人の方が多いと、複数の飲食店関係者から聞きました。食の嗜好や生活習慣の違いから来るもので、そこまで目くじらを立てないでもいいのかもしれませんが、元々日本人よりも素直に感情が表情・声・行動に表れてしまい、目立つのです。
「一番恐ろしいのは不満があるのに何も言わずに帰り、以後来ない客だ」といった言い方はあるものの、感情豊か過ぎる形で不満を目の前で見せつけられるのもこれまた厳しいもの。何しろ普段通りのことを自分はやっているだけなのに、そこまでやるか!というリアクションを取られるのです。
ある寿司屋のケースです。お通しでナマコ酢を出した時、その客は不思議そうな顔をして小鉢に鼻をつけてにおいを嗅ぎ、ツンと匂う酢にむせる。恐る恐るナマコを口に入れて噛むと、ヌメッとしながらもコリコリした不思議な歯応えと酸っぱさを感じ、口から勢いよく吐き出し、「yuck!(キモッ、オエッ)」なんて言う。
タコ刺し(実際は茹でている)も不気味がってまったく手につけない。その後のつまみと寿司を出すにあたっては、「これは大丈夫ですか?」とひとつひとつ聞きながらコースを進めていったそうです。
酸っぱいものを苦手とする外国人客は少なくないようで、こじんまりとした居酒屋では、こんなことがありました。その店では、常連客に女将さんお手製の梅干しやラッキョウを出すことがあります。外国人客が「アレは何ですか?」と聞いてきたのでスマホの翻訳機能を使い「Shallot」(=エシャレット)と伝えた。
海外でも食されるエシャレットはラッキョウの早摘みであるため、客も大丈夫だと思ったのか、ください、というジェスチャーをする。そこで小皿に入れてラッキョウを出したら噛んですぐに口からブワッ、とティッシュに出してしまう。やはり酸っぱすぎたようです。いずれも食の嗜好は個々人によって違うため仕方がないことではあるものの、とにかくリアクションが大き過ぎるんですよね。
バラエティ番組の罰ゲームかのような動きをするため、もう少し抑えめにしてくれればいいのにな、と思う。頑張って仕入れたり、時間をかけて漬けたりしたものをそのような扱いをされるのは少し複雑な気持ちになると言います。
