そして、36協定や33条に基づく場合でも、時間外の労働に対しては本来の賃金の他に、その25%の割増賃金の支払いを受けることができます。もし、1か月の時間外労働が60時間を超えた場合、超えた時間分の割増賃金は50%で計算されます。
このように、災害時に雇主から時間外労働を命じられ、残業した場合には割増しされた残業代を請求できるので、従事した時間は記録しておくべきです。
なお、36協定で定める残業時間は原則として月45時間、臨時的な特別の事情がある場合でも、月100時間未満という上限規制はありますが、災害時の残業時間の上限規制は特になく、必要な範囲で認められています。とはいえ、長期、恒常的になるケースでは36協定による残業にしましょう。
【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。
※週刊ポスト2026年10月9日号