「課題だから仕方なく来ました」という雰囲気の高校生も(写真:イメージマート)
大学のオープンキャンパス(以下、OC)は、キャンパスの雰囲気だけでなく、実際に入学後にどんなことを学べるのか、卒業生たちの進路はどのようなものか、高校生にとって様々なことを知る貴重な機会となる。体験授業に参加したり、保護者と一緒に訪れ、個別相談で入試や就職について質問したりする高校生もいる。
一方、相談を受ける大学職員や教員からは、熱心な保護者とあまり興味のなさそうな受験生本人の“温度差”に戸惑う声も聞こえてくる。早期に合格を得たいという家庭もあるなか、大学の相談現場ではどのようなやり取りが起きているのか──。
熱心な保護者の隣でスマホいじりする高校生
都内の中堅私立大学に勤務する大学教員の男性・Aさん(40代/情報系)は、OCで接する親子について、「保護者の方が進学先探しに熱心」と感じているという。
「コロナ禍以前のOCは、やる気がある高校生が友達と連れ立ってきて、積極的に質問したりしていた印象です。ここ数年は、熱心なのは保護者のほう。個別相談ブースで対応していると、いかにも“連れて来られました”という感じの高校生と、その隣で『この学部に入れたら、どこに就職できますか?』と熱心に質問する保護者のペアが大半ですね。
本人に、『あなた自身がやりたい勉強や、興味があることはありますか?』と尋ねると、『別にやりたいことはない。入れればどこでもいいです』と、無気力な答えが返ってくることもあります。今年のOCでは、熱心にパンフレットを見て質問するお母さんの隣で、スマホをいじっていた高校3年生もいましたよ」(Aさん)
本人の参加意欲が見えづらい背景として、自身にも高校生の息子がいるAさんは、「高校側の進路指導と関係があるのではないか」と推察する。
「最近では、OCへの参加や参加後のレポート提出を夏休みの課題にしている高校もあるんです。うちの息子の学校でも、『OCに行ってみよう』といったワークシートの提出が求められています。
志望校や学びたい分野を決めるために訪れたり、自身の進路を考えるきっかけとして参加する高校生だけでなく、『課題だから仕方なく来ました』という雰囲気の高校生がいる背景は、そういった事情もあるかと思います」(同前)
