「シリコンサイクル<メガ潮流」と割り切って考える
一方で、株式投資の文脈では、半導体市場そのものは長期的に右肩上がりなので、短期的(数年間)に落ち込む局面があっても、長期的には伸びていくと信じて長期保有が吉でしょう。
投資家としての桶井も、シリコンサイクルを読もうとはせず、この業界特有の「癖」として受け止めて、長期投資に徹しています。「シリコンサイクル<メガ潮流」であると割り切って考えるとよいと思います。
ここ数十年の歴史を振り返っても、2001年のIT バブル崩壊や2008年のリーマン・ショック、2019年や2023年など、半導体市場全体の売上が一時的に前年割れする局面はありました。しかし、不況期のたびに新たな需要分野の成長によって市場は息を吹き返し、その後は過去のピークを超える売上高を記録してきています。
半導体産業は、長期的に見ると階段を上るように拡大を続けているのです。個別の半導体株についても、短期的には波乱含みですが、長期の視点で見ると、企業価値や業績は一貫して成長を続けているケースが多い点に注目しましょう。
エヌビディア、ASMLホールディング……飛躍企業が続々
具体例を挙げます。GPU最大手のエヌビディア(米国)は、この10年間でAIブームの波に乗って売上・株価とも数十倍以上の飛躍を遂げました。
半導体製造装置メーカーのASMLホールディング(オランダ)も、EUVリソグラフィという最先端技術を独占的に供給する地位を確立し、過去10年で収益規模・株式時価総額が飛躍的に拡大、今や欧州を代表する超優良企業の一角となっています。
日本企業では、アドバンテストやレーザーテック、キオクシアホールディングスなどが目覚ましく伸びています。
短期的(数年間)なシリコンサイクルの影響を受けながらも、これら企業の価値は、これまで着実に積み上がってきたのです。
半導体市場全体を見ても、需給の波はありつつもトレンドとしては明確な右肩上がり、メガ潮流です。半導体は、現代社会ではあらゆる産業で不可欠な「産業のコメ」であり、デジタルトランスフォーメーション(DX)やIoTの進展によって長期的な半導体需要は増え続けています。