墓地の形式によってかかる費用も変わってくる(イメージ)
人生の“区切り”として大切な場所が「墓」。誰もが最後には行き着く場所だが、墓の「買い方」は学校でも教えてくれないし、誰に聞けば良いのかも分からない。「自分の眠る場所」はどう選び、どう買えばいいのか。専門家に聞いた。【後悔しない墓の買い方・前後編の前編】
「先祖代々の墓があるから心配はない」は一部の人に限られる
多岐にわたる「老後の備え」のなかで、後手に回りがちなのが「墓の準備」だ。ベンチャーサポート相続税理士法人が「要介護状態ではない70歳以上の男女」を対象にした調査(2022年実施)によると、6割強が「葬儀やお墓の準備を何もしていない(これからする予定を含む)」と回答した。
本誌『週刊ポスト』読者への1000人アンケート(9月)でも、お墓の購入について「未定・分からない」との回答が4割超で最多となった。だが、「先祖代々の墓(菩提寺)があるから心配はない」と安穏としていられるのは、実は一部の人に限られる。YouTubeなどで葬儀に関する様々な情報を発信する佐藤葬祭代表の佐藤信顕氏はこう言う。
「一般的に、親や祖父母が眠る先祖代々のお墓、本家のお墓に入るのは実家を継ぎ墓守をする長男などの一家とされています。きょうだいが実家を離れて世帯を持てば、基本的には『分家墓』を建立することになります」(以下「 」は佐藤氏)
「墓を建てる」「納骨堂に入る」前に熟慮必須の5項目
分家墓とは、実家を離れて世帯を構えた次男や次女などが自分たちの家族を祀るために新しく建てる墓を指す。明治以降の「家制度」のもとで慣習化したとされるが、家族のあり方が変化した現代では、「揉めずに済む」との理由から分家墓がつくられることが多い、と佐藤氏は言う。
「一つの墓に世帯主が2人以上入ると、どちらの家族が継承・管理するのかなど、判断が必要な場面で揉めがちです。世帯ごとに墓を分ける『分家墓』で管理するほうが、お互い気を遣わずに済み円滑でしょう。ただ、きょうだいが未婚や単身のケースでは分家墓を建てるのは稀で、本家の代々の墓などに入れてもらうのが一般的です」
新たに墓が必要となるケースは他にもある。
「地方にある実家の墓守を継続するのが困難になったなどの理由で、親族間で話し合い、自分たちの生活圏内でお墓や納骨堂を探す『改葬』、いわゆる“お墓の引っ越し”も近年は増加しています」

