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「75歳まで働かないとつまらない」と政府が国民の意識改革中

「75歳」ではもらっても楽しく使えない

 しかし、それは暗黒の老後を意味する。経済ジャーナリストの荻原博子氏が語る。

「健康寿命は個人差が大きいものの、高齢者で趣味にお金を使うのは70歳代前半までの人が多い。80歳を過ぎると毎日散歩をして足腰が弱るのを防ぐのに精一杯、90歳になるとバスにも滅多に乗らなくなります。年を取るほどお金は使わない。

 それでも、人間というのは自分が死ぬとはなかなか想像しようとはしないものです。『明日死ぬかもしれないからお金を使おう』ではなく、『このまま長生きするとお金が足りなくなる』という不安の方が大きい。だからお金を使わない。それでも年金を75歳受給にして、高齢者がやっとたっぷり年金をもらえると思ったときには、そのお金を楽しく使える健康な体ではなくなっていたというのでは老後の楽しみも何もなくなってしまう」

※週刊ポスト2017年8月11日号

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