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ビジネス

イギリス旅行に潜む罠 まさかのムダ遣いを強いられる理由

新紙幣はポリマー素材でできている

「こんなにたくさんのお菓子、どうするの! うちのマンション中にお土産を配ろうっていうの!?」

 4泊6日のロンドン出張から帰国した30代男性のKさんは、妻にそう怒られたという。Kさんは、スーツケースとは別に「Duty Free」と書かれた大きなお土産を抱え帰宅した。さらに、両手では持ちきれずに空港から宅配便で送った大量のお土産が届き、その中身が(妻が喜ぶブランドモノではなく)お菓子やイギリスの国旗柄のTシャツ、マグカップなどだったことで、妻が激怒したのである。

 普段は出張や旅行に行っても必要最低限のお土産しか買わない、どちらかというと倹約志向のK氏が散財したのには理由があった。同氏が語る。

「出国時、空港で1000ポンド分(約15万円)、両替したのです。受け取ったのは10ポンド札と20ポンド札の束でした。上司と一緒で、私が2人分の支払いをしなければならず、現地での飲食代やタクシー代などを考えて、余裕を持って1000ポンド。スケジュールに1日空きがあって、初めてのロンドンだったから観光しようと思っていたので、その費用も勘案しました」(以下、「」内はKさん)

 出張自体は順調だった。予定通り、現地の取引先との打ち合わせを次々にこなし、新たな契約見込み先も紹介してもらった。だが、スケジュールが空いていた帰国前日──現地駐在の日本人の案内で市内観光していると、思わぬことを告げられた。

「『日本で両替してきたポンドは、新札への切り替えでもうすぐ使えなくなるから注意してください』というのです。なんでも、日本での両替で受け取った旧10ポンド紙幣は来年の前半には使えなくなり、20ポンド紙幣も数年以内に切り替えが予定されているという。

 さらに1ポンド硬貨と5ポンド紙幣は切り替わったばかりで、旧1ポンド硬貨はこの10月までで使えなくなる、旧5ポンド紙幣は5月で使えなくなったからお釣りを受け取るときに注意──と、要するにあれもこれも切り替えらしいのです。でも、貨幣の種類が多い上に手元にあるお札やコインが新しいのか古いのかわからなくて…」

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