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イギリス旅行に潜む罠 まさかのムダ遣いを強いられる理由

 Kさんがそのことを知った時点で、現金はざっと10万円分余っていたという。イギリスは予想以上にクレジットカード社会で、タクシーはもちろん、地下鉄の切符もクレジットですぐ買える。だからあまり現金を使う機会がなかったのだ。

「現金が余ったら次回の旅行で使おうかと思っていたし、現金があったほうが安心だからと途中までクレジットカードを多用していたのですが、これは帰りの空港で使ったほうがいいと思いました。

 まず100ポンド(約1万5000円)くらいでブランドモノのサングラスを買ったのですが、途中からどのお札がいつまでに使えなくなるかワケわからなくなってしまって。とにかくお菓子などを買っていってお土産として配ればいいかと思い始めたら、持ちきれないほど大量に買い込んでしまいました……」

 ちなみに、イギリスでも旧紙幣は店舗では使えなくなるものの、銀行に持ち込めば、新紙幣に交換してくれる。Kさんはそれを知らずに全部お土産にしてしまったらしい。

 日本の場合、新紙幣が流通しても旧紙幣が店舗などで使えなくなることはない。日本銀行ホームページによると、「1946年に発行され、1958年に発行停止された二宮尊徳の1円札」「1946年に発行され、1955年に発行停止された5円札」を始め、現在発行されていない紙幣も額面通りの金額として利用できるという。記憶に新しいところでは、1986年に発行停止された「聖徳太子の1万円札」も利用できる。

 財務省関係者は、「日本でも実際にはお店で古い札を出したら、『偽札かどうか見分けられない』『そもそも見たことがない』などの理由で受け取り拒否されることもあるかもしれませんが、少なくとも制度上は『有効』です」という。

 慣れない通貨と切り替えに混乱して思わぬムダ使いをしたKさんだったが、イギリス旅行を控えている人は同じミスをしないようくれぐれもご用心あれ。

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