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競技人口増加で拍車 フィギュア選手たちが直面する「お金」の問題

“ポスト・浅田真央”の呼び声も高い本田真凜(撮影:T-HONMA)

 実際、関西大学に2006年、中京大学に2007年と相次いでスケートリンクが新設され、宮原や本郷らが成長を遂げた。

 ネットの普及も、技術の向上に一役買った。いつでもどこでも好きなときに、名選手のスケーティング動画が研究できる。

「私の小さい頃は、世界選手権や五輪などをビデオに録画して見ていましたが、今はインターネットのおかげで、名選手の滑りをすぐに動画で“勉強”できるようになりました。ジャンプのタイミングやステップの踏み方など、さまざまな時代の名選手を参考にし、自分に合ったものを取り入れていくことができるからこそ、レベルの進化も目覚ましいのでしょう」(中野さん)

 さらに、本田武史(36才)や村上佳菜子(23才)など、自身の経験を生かし指導者として活躍する元フィギュアスケーターも増え、広がったフィギュア人口を受け止めている。

 また、今の選手たちの特徴は“見栄え”が良いことである。フィギュアスケートに詳しいスポーツジャーナリストの野口美恵氏が語る。

「今の子供たちは、もともとスタイルが良い上に、質の良い筋肉を身につけています。インナーマッスルを鍛えればスケートはできるということがわかってきたんです。ですから、細く美しい体形を維持しながらも、科学的な研究を踏まえて必要な筋肉をバランスよくつけています。フィギュアは採点競技ですから、“美しさ”は重要な要素です」

 さらに選手たちの間に「スケートの技術以外で、自分をどう魅せるか」という意識も広がってきた。

「衣装やメイクを意識する選手が増えています。その筆頭が、本田です。化粧品メーカーのCMに出ているだけあって、メイクにはかなりこだわっていて、大会のときのヘアメイクは自分でしているそう。衣装デザイナーへの注文もかなり細かいと聞いています」(前出・スケート連盟関係者)

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