中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

池波正太郎『男の作法』 「チップ」の項目を読めば社会を幸せにできる

池波正太郎『男の作法』の「チップ」の項目を読む

「粋」な人物になるには作家・池波正太郎による『男の作法』(1981年)を読むように、と24歳の時に会社の先輩から言われ、同書に深い感銘を受けたというのは、ネットニュース編集者の中川淳一郎氏。同氏が、『男の作法』からお金にまつわる部分で特に実践したい件について、池波氏の教えを現代風にアレンジしてお伝えする。

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 いやぁ~、この本、最高ですよ! 今は新潮文庫から出ていてお手頃価格で買えるので、少しでも「粋」になりたい方はぜひとも読んでください。「天ぷら」「トロ」「ネクタイ」「爪楊枝」「マンション」など様々な項目において池波先生の粋な振る舞いを知ることができます。私は会社員時代、OB訪問の担当していたのですが、学生から「どんな本を読めばいいですか!」と聞かれた時は毎回『男の作法を読もう!』と言い、女性も含め、全学生から「素晴らしい本でした!」と言われたほどです。本稿では「チップ」についての項目を紹介します。

〈今度、タクシーに乗ったときにだね、やってごらんなさい。運転手が、お客さんが百円くれたとなれば、たとえ百円でもうれしくなって、

「どうも済みません、ありがとうございます……」

 とこう言いますよ。そうすればその人がその日一日、ある程度気持ちよく運転出来るんだよ。それで、おおげさかも知れないけど、交通事故防止にもなるんだよ。少なくとも、次に乗るお客のためになっているわけだ。みんながこういうふうにして行けばだね、一人がたとえ百円であっても、世の中にもたらすものは積みかさなって大変なものになるわけだよ。どんどん循環してひろがって行くんだからね〉

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