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森永卓郎氏が「プレミアムフライデー」を重要視する真意

 確かに、プレミアムフライデーの恩恵を受けるのは、今のところ一部大企業の従業員だけだろう。しかし、まず大企業を休ませなければ、下請けの中小企業は休めない。徐々に金曜日は休むんだという意識を広げていくことが重要なのだ。

 週休3日制などあり得ないと考える人の多くは、「働いて所得を伸ばしていかなければならない」という強い思い込みがあるのではないか。あるいは、仕事がしたいわけではなく、実際は休日にやることがない人が多いからではないか。

 プレミアムフライデーがなかなか浸透しない背景には、学校との足並みが揃っていないこともある。週休2日制の普及は、学校の週休2日が促進した面も大きいのだ。ところが、現在の学校はむしろ休みを減らす方向になっている。たとえば、小学校の英語教育は、2020年から「小学3年生から必修化」、「小学5年生から教科化」が行なわれる。だが、英語教育が拡充されても、既存授業の削減は行なわないことになっているため、英語教育の時間は早朝や土曜日に行なわれる可能性も考えられる。

 経済産業省は、プレミアムフライデーの目的について、「買物、観光、ボランティア、家族との時間など、多くの方が生活の豊かさや幸せを感じられるように」としている。ところが、文部科学省は、子供の週末を奪おうとしている。これは明らかに閣内不統一だ。

 安倍政権がプレミアムフライデーを本当に働き方改革の目玉と考えているなら、かつての土曜日がそうだったように、まずは学校の「金曜半ドン制(授業は午前中のみ)」を実施すればいいだろう。

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