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キャリア

銀座に無計画に出店して思い知らされた客商売の厳しさ

憧れの銀座の一等地に出店したはいいものの…

 これまで富士登山や空中ブランコなどの体当たり取材や、客室清掃アルバイトなどの経験を持つ女性セブンの名物還暦記者“オバ記者”こと野原広子さん。そんな彼女が、趣味で作ったバッグを売るため、東京・銀座に“出店”したという。いったいどうなったのか、その顛末をリポートする。

 * * *
「銀座に店を出そうかと思って」──私がしでかすたいがいのことは聞き流す友達のF子(パート・60才)も、これには驚いた。

「銀座ってあの、ギ・ン・ザ?」
「そう! 銀座3丁目でシャネルの裏の通り。立地は最高よ」
「なら、保証金は千万円単位でしょ?」

 本気にしないF子に、「お店はビルのワンフロアを1平方メートル四方に区画分けしたもので、1区画の使用料が1日1200円(平日のみ)。まずは試しに2日間やって…」と説明すると、「銀座のビルの中でフリマをする感覚? 出店料も安いし、いいね。手伝いに行くわ」とノリノリ。

「よっしゃ~。たくさん売れたら、帰りに帝国ホテルで食事しよう!」

 私とF子は金儲けに目がくらみ、その使い道まで決めていたんだわ。

 で、銀座で何を売るか。実は私、4年前に、熱に浮かされたように、無地の帆布のバッグを手作りしまくったの。

 最初はオレンジ一色をひとりでミシンをかけていたら、「布バッグ作りが大の得意」という、大手企業を定年退職したT男さん(69才)と知り合った。それで同じデザインで、ベージュとショッキングピンクを発注。生真面目なT男さんは全力で応えてくれて、気がついたときは80個の在庫を抱えることに!

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