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ビジネス

トランプ氏の圧力を日本も利用 危機は去っても空母は欲しい

最新鋭ステルス戦闘機F35B(時事通信フォト)

 安倍晋三・首相は米朝会談直前に訪米してトランプ大統領に北朝鮮への拉致交渉の口利きを依頼し、その際、見返りに米国から巨額の兵器を購入することを約束した。トランプ氏は日米共同記者会見の冒頭、数十億ドルという金額をあげて商談の詳細をこう明らかにしたのだ。

「安倍首相はつい先ほど、数十億ドルもの戦闘機やボーイング、農産物などあらゆる製品を購入すると言った」

 安倍首相はこれまでもトランプ氏と会談するたびに“太っ腹”な買い物ぶりを見せた。昨年11月の日米首脳会談では、「北朝鮮に最大限の圧力をかける助けになる」と言われて弾道ミサイルを追尾する敵基地警戒管制レーダー「FPS7」(約1791億円)を購入、さらに『イージス・アショア』2基(約2000億円)の導入をポンと決めた。

 だが、今回は一転、トランプ氏は「最大限の圧力という言葉は使わない」と言い出し、米朝首脳会談後は融和路線に転じて、「米韓軍事演習の中止」や将来の「在韓米軍の撤退」にまで言及している。

 米朝の緊張が高まれば、「最大限の圧力をかけるぞ」と呼びかけ、緊張が緩和されると「口利きしてやるから買え」と持ちかける。この大統領は安倍首相相手の商売のツボを心得ているようだ。

 だからといって、日本側も嫌々買わされているわけではない。実は、安倍政権の方もトランプ氏の圧力を国内向けに利用して湯水のようにカネを使おうとしている。安倍訪米前の5月25日、自民党は政府が今年末にまとめる新「防衛大綱」と「中期防衛力整備計画」(中期防)に向けた提言をまとめた。

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