ヘリコプターでの救助。これはさすがに…?
北アルプスなど3000m級の山で遭難した場合、警察や消防のヘリコプターが捜索及び救助のために出動する。
「山は急斜面や樹林帯が多く、遭難しがちな場所は99%ヘリが着陸できる場所ではない。そのため救助ヘリには、“ホイスト”と呼ばれる隊員を吊り下げて地上に降ろす装置がついており、隊員が遭難者を抱きかかえてヘリに収容します。長野県警の場合、このヘリが2機ありますが、出動しても費用は請求しません」(長野県警担当者)
ヘリコプターも都道府県の警察や消防が出動すると無料。ただ、増え続ける救助要請を前に、2017年、全国で初めて埼玉県が公的ヘリの有料化に踏み切った。無謀な登山を抑止するためだ。
「遭難者のかたに負担していただくのは燃料費の相当額の手数料です。本県の防災ヘリの燃料費は1時間飛んで約6万円弱ですが、そこから算出して手数料も含めて5分5000円としています」(埼玉県消防防災課担当者)
手数料が発生するのは、標高1723mの両神山山頂から3km以内など、埼玉県内の特に危険な6つの山岳エリアに限られているそうだ。
意外にも救助にかかる金額が少ないことに驚かされる。だが、救助費用がかからないからといって、自力で何とかできるのに、気軽に助けを呼べばいいというものではない。多くの人が遭難すればそれだけ人手も必要になり、本当に助けが必要な人まで手が回らなくなるからだ。
※女性セブン2018年8月2日号