中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

転職・起業しないのは「生ぬるい」会社人生なのか?

一つの会社で定年まで過ごすことをどう評価するか

「キャリアアップ」や「ステップアップ」といった言葉が若手社会人の間で取りざたされることも多い。それが意味することは、「転職」「独立」「起業」「留学」などだが、「これまでのキャリアに自信を持って“変わらない”こともアリでは?」と述べるのはフリー編集者の中川淳一郎氏だ。同氏が「変わらない」ことの大切さについて述べる。

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 ここ何年間か、私がかつていた会社員時代の上司が定年を迎えたとの報を次々と受けます。中には「お疲れ様の会」的なことをかつての部下から開かれる人もいます。人望があった人はこうした会を開いてもらえるケースも多く、そうでなかった人は開いてもらえない。

 こうした会の主人公たる、60歳を目前に控えた先輩方は一様に達成感を滲み出しています。自分が新入社員で入った時に優しく声をかけてくれたことや、飲みにつれていってもらったことなどを思い返し、万感の思いで先輩のこれまでの偉業を称えるとともに、これからの実りある人生を祈念したくなります。

 60歳で定年ならば、大学卒業から37~38年ほどその会社に自身の人生を捧げてきたわけですが、とにかく立派だと思うのが「同じ会社で勤め上げた」ということです。もちろん、一度たりとも転職することなく新卒で入った会社に残ることについては「ぬるま湯に浸かっていた」といった酷評をされることもあります。

 しかし、なんでこうした評価って出るんですかね? いわば「転職経験ある人=社会の荒波をくぐった優秀な人」「転職経験ない人=社会の荒波を知らない人」的な文脈とも捉えられますが、どんな会社にだって転職者はいるわけですよ。

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