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投資

95歳の投資家・外山滋比古氏 あえて新聞で株価チェックする意味

外山滋比古氏は株式投資を60年以上続けているという

 年金が実質的に少しずつ削られていく中で、年金以外の収入を確保する手段として、あらためて株投資が注目されている。新著『お金の整理学』を上梓したお茶の水女子大学名誉教授の外山滋比古氏は、30歳から株を買い始め、95歳の今なお株投資を続けているという。その外山氏が、中高年のための「株の始め方」を指南する。

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 実際に株を買い始める前にやっておきたいことがある。ここで、お金は必要ない。使うのは新聞だけだ。

 まずは新聞を開き、株価欄をチェックする。

 気になる会社をいくつか選ぶ。できれば、自分が株を買うために用意できる元手の額を決めた上で、銘柄をいくつか選択する。

 そうして選んだ株を「買ったつもり」になってシミュレーションを始めるのである。

 このトレーニングを続ける秘訣は、最初から毎日の株価欄をチェックしないことだ。始めからそうすると、疲れて嫌になるし、うっかり忘れたときに、気持ちが途切れてしまう。だから慣れないうちは週に一度、自分で決めた日に見る程度から始めるのがいいだろう。

 それで、少し慣れてきたら、グラフを作る。自分で選んだ銘柄が、どんな線を描いて上がっているのか、あるいは下がっているか。グラフにすると、全体像が可視化されるので、動きがはっきりする。

 その上で、さらに慣れてきたら、株価を毎日チェックする。このあたりに差し掛かると、むしろ新聞が届くのが楽しみになって、紙面を開いたらまず株価欄を見るようになっているかもしれない。

 そんなことを半年くらい続けたところで、損得をはっきりさせてみる。儲かっているのか、損をしていたのかを確かめるのだ。

 実際に、お金を投じて株を買うのは、このシミュレーションがうまくいってからにしたほうがいい。

 暇があって退屈している人には、案外、こういうことが面白く感じられる。毎日眺めているだけでも、ちょっとした仕事をしているような気分になってくる。ゲーム的な要素もあるから、楽しく続けられるのではないか。

 こうして、ある程度、自信がついたところで、少しくらい損をしてもいいという覚悟で実際に株を買ってみる。最初のうちは、新しく保有銘柄を増やすときも、まずはシミュレーションから入るようにするといい。繰り返しているうちに少しずつ目が肥えてくる。熟達するまでに何年か、かかるかもしれないが、勘が養われれば、株投資は死ぬまで楽しめることになる。

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