「先進医療」にも注意すべき点がある。粒子線治療の効果に、学会から疑義が呈されている事例もあるのだ。医療経済ジャーナリストの室井一辰氏はこう語る。
「2015年8月に厚労省の先端医療会議で、粒子線治療と通常の放射線治療との治療効果の差が認められないという報告がなされています。そもそも『先進医療』には、保険適用に向けた実績を積み上げるという実験的な側面もある。多額の費用を投じるに見合うだけの治療効果が得られるのか、現段階では確実なエビデンスがあるとは言い難い状況が続いています」
※週刊ポスト2018年12月21日号