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故人の口座からお金を引き出すための「手続き地獄」

 それらの書類を揃えるのはかなり大変だ。

「何よりも大変だったのは、母が生まれた時にさかのぼり、亡くなるまでの戸籍謄本を揃えることでした。わざわざ母が生まれた大阪の役所に問い合わせ、取り寄せなければなりませんでした」(井戸さん)

 口座凍結時の不便さはこれまでも指摘され、2019年1月の民法改正で、100万円程度なら銀行側の判断で引き出せるようになった。だが、それ以上の金額になると引き出すのは難しい。

「役所に死亡届を出すと、自動的に金融機関に通知されるわけではなく、あくまで自主的に金融機関に届け出ない限り、口座が凍結されることはありません。人が亡くなる前後は、医療費の精算や葬儀代、お墓や仏壇の購入費などたくさんのお金がかかるので、銀行に届け出る前に、ある程度まとまったお金を引き出しておいた方が無難でしょう。

 この時、他の相続人にも目的などを明確にしておくことが大切です。いつ、いくら引き出したのかがわかる銀行の明細書や、使った分の領収書をしっかりとっておけば、遺産分割協議の際、財産を使い込んだなどのあらぬ疑いをかけられるのを防げます」(曽根さん)

※女性セブン2019年1月31日号

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