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田代尚機のチャイナ・リサーチ

アメリカへの留学生の3分の1を占める中国人の存在感

2019年3月27日 7:00 マネーポストWEB

 日本も戦後貧しかったころは、子供の教育に非常に熱心な家庭が数多く存在した。その頃の日本のように、無理してでも子供に少しでも高いレベルの教育を受けさせたいと思う家庭が多い。さらに、学習する側も、留学を経て条件の良い企業に入ったり、起業したりして、より良い人生を送ろうと考える意識の高い学生が多い。

 苦労して勉強を終えた留学生たちは、単に英語が堪能なだけではない。国際的に通用する高い教育水準を有している。そうした若者たちが中国の発展を支える硬い岩盤基礎となっている。

 一方、彼らの存在は、アメリカの発展にとっても欠かせない要素となっている。ノーベル賞受賞者の数を例に挙げるまでもなく、アメリカの大学は世界最高水準であろうが、その背景には、アメリカの大学が開放的で自由な校風を持つことが挙げられる。

 国際的に広く門戸を広げ、世界中からできるだけ優秀な人材を引き付けて育て上げ国内で吸収することで、アメリカの科学力、企業経営力を高め、総合的な労働生産性を引き上げ、イノベーションの力を向上させている。

 卒業後もアメリカで働く中国人はもちろんだが、本国に戻っても、アメリカ企業で働いたり、中国政府機関に入って、米中の橋渡し役を担ったりしているウミガメ族(海帰族、海外留学からの帰国者)も、広い意味でアメリカの国力向上に貢献している。

 米中の高学歴層は人的に深いところで強く結びついている。それがお互いの利益となっているのが実情だ。

 日米は堅い絆で結ばれていると思っている日本人は多いだろうが、アメリカにおける高学歴層は日本人よりも中国人の知り合いの方が圧倒的に多い。トランプ政権は対中強硬派を中心に米中貿易戦争を仕掛けており、「中国製造2025」(2015年に発表した今後10年間の製造業発展のロードマップ)に強い懸念を抱いているが、中国のイノベーションを支えているのはアメリカである。また、アメリカのイノベーションを支えているのも中国である。

 トランプ政権の本質は、グローバル主義の高学歴層に対する反対勢力と位置付けることができるかもしれない。

文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うTS・チャイナ・リサーチ代表。メルマガ「田代尚機のマスコミが伝えない中国経済、中国株」(https://foomii.com/00126/)、ブログ「中国株なら俺に聞け!!」(http://www.trade-trade.jp/blog/tashiro/)も展開中。

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