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老親が加害者になるリスクも 家族の賠償責任にどう備えるか

 高齢の親が、思いがけない行動を取る可能性は否めない。他人を傷つけたり、物を壊したり、さらに親が認知症で責任無能者とされれば、監督義務者として配偶者や子供に賠償責任が及ぶこともあるのだ。

「こんなときに『個人賠償責任保険』が役に立ちます。自動車保険に比べて知られていないのですが《本人またはその家族が、日常生活上の偶然の事故によって他人に死傷、財物損壊などの実損を与え、法律上の損害賠償責任を負った場合に、被保険者が負担する賠償金などを補償する》もの。

 未成年や精神上の障害などで責任能力がない場合は、同居する監督義務者(未成年者の親や認知症の親の子など)が負う賠償も補償されます。必ず一世帯に1つ入っておくべき保険です」

 近年、問題になってきたのが自転車事故。2013年に小学生の少年が自転車を運転中、歩行者に衝突して重い後遺障害を負わせ、少年の母親に1億円近い損害賠償が命じられた。にわかに自転車保険が注目されたが、これも『個人賠償責任保険』でカバーできる。

 警察庁の調査では、自転車で重大事故を起こした65才以上の高齢者の約6割が、これら損害賠償保険に加入していないことが判明。全国19か所の自治体では、努力義務を含む、賠償保険加入義務化も条例化されている。

『個人賠償責任保険』を選ぶ際のチェックポイント

『個人賠償責任保険』は、自動車保険や火災保険の特約として昔からあり、すでに加入している場合もあるだろう。ただ最近は社会のニーズに合わせて、少しずつ補償内容も広がりを見せており、“老親のリスクをカバーする”という視点で、加入もれや補償内容を再チェックするとよい。

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