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「GAFA」に続く新興国の有力プラットフォーマー企業の実力

 そこでもう少し規模が小さく、将来の成長余地が大きい企業に目を凝らしてみると、具体的には以下の2つの企業が浮かび上がってくる。

 ひとつは、南米最大のeコマース企業、メルカドリブレ(NASDAQ・MELI)だ。アルゼンチンの企業だが、南米全体を対象にeコマースを展開している。「南米のアマゾン」といえばわかりやすいだろうか。

 中南米のオンライン小売市場規模は、総取扱高ベースで2017年の451億ドルから2022年に倍増近いとする予想もあるほど急激に伸びている。また、mPOS(エムポス=モバイルPOS)という専用端末とスマホ、タブレットを使った店頭でのデジタル決済額も、同地域で今後4年に4倍近くまで急増すると見込まれている。

 メルカドリブレはこの2つの分野で現在最右翼にいる企業といえるだろう。地域のeコマースサイトにおける訪問者数は2位のアマゾンの2倍超にのぼり、圧倒的トップの座を守り続けている。

 もうひとつは、ロシアのインターネット検索最大手のヤンデックス(NASDAQ・YNDX)である。同社はロシア、ベラルーシ、カザフスタン、ウクライナなどでネット検索事業を展開。2018年第4四半期のロシアにおける市場シェアは56.5%と高水準で、いわば「ロシアのグーグル」といったところだ。ネット事業が売り上げの約8割を占めるほか、米国ウーバーと共同でライドシェアによるタクシー事業も手がけており、これが売上の18%を占め、急成長している。

 これら2つの企業は米国の株式市場に上場しており、「GAFA」に続く企業へと成長するポテンシャルを秘めている。今後も注目しておいて損はないだろう。

【PROFILE】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しなどを紹介するメルマガ「日本株通信」も展開中。

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