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無駄な医療保険が「負け組高齢者」を生む一面も 保険より貯金を

高齢者の医療保険はどこまで必要か

高齢者の医療保険はどこまで必要か

 医療保険は「転ばぬ先の杖」と評される。だが無駄な医療保険こそが、「負け組高齢者」を生む一面もある。「高額療養費制度があるので、高齢者の医療保険はほとんど必要ありません」と指摘するのはファイナンシャルプランナーの森田悦子氏。

「医療保険で何よりネックとなるのは高額の保険料です。60代で加入、更新すると入院1日につき決まった額が支給される定期タイプの医療保険の場合、更新のたびに保険料が跳ね上がる。近年は入院日数の短期化が進んでいるので、高齢者はなけなしの保険料を払うより貯金に回すべきです」(森田氏)

 割安の掛け金で人気の共済タイプも60代以降にはデメリットが大きい。

「現役時代からそのまま加入している方が多いですが、65歳を超えると『シニアタイプ』や『熟年型』の商品に移行になり、掛け金は同じなのに保障内容が大幅カットされるケースがみられます。健康リスクが増す年代に保障が細っては保険の意味がない」

 そう指摘する森田氏が「入っていてもよい」とするのは「先進医療特約」だ。

「医療保険やがん保険に月額100円前後で付加できる特約です。実際に月100円の先進医療特約を付けていた人が重いがんになり、本来なら自由診療で数百万円かかる重粒子線治療を特約で受けて助かった事例もあります。

 ただし先進医療特約だけを目的に新しい保険に加入したり、保険を見直すことは高額の出費につながるのでNG。現在加入している保険契約への中途付加を検討すべきです」(森田氏)

※週刊ポスト2019年8月16・23日号

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