高齢化が進む日本において、特に大きな心配事となっているのが「実家に住む老親」の問題だ。
もし親が難病や認知症になったらどうするか、突然に万が一の事態が起こったらどうするのか──そんな不安を抱えている人は少なくないだろう。しかし、遠く離れて暮らす親の状態をつぶさに確認したり、普段から将来について親子で話し合うことは簡単ではない。
そこで絶好のチャンスとなるのが「盆休みの帰省」である。たとえ数日間の滞在だとしても、親の生活を垣間見たり、家族の今後について語り合う貴重な時間となる。
まずは、万が一の親の体調異変への備えとして、健康保険証や病院診察券などの保管場所を押さえておくことが重要だ。コピーを取って子の手元に置いておいてもいい。
特に重要なのはかかりつけ医や近所に住む友人などを把握しておくことだ。介護アドバイザーの横井孝治氏がいう。
「信頼できる両親の友人には、できれば子も直接会う機会を設けて“何かあったらお願いします”と連絡先を伝えておきたい。いざというときに一時的に親の様子を見てもらったり、介護を拒む親の説得を手伝ってもらうなど大きな助けになります。