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還暦女性ライターが振り返る消費増税 風向き変わったのは5%になってから

 その風向きが変わったのは、平成9年(1997年)4月に3%が5%になってからよね。秋には北海道拓殖銀行や山一證券まで倒産したりして、消費税率2%のアップを「いいの? 消費税アップのせいで、はじけたバブルの毒が日本中に回ってきたんじゃないの」と、イヤ~な感じがしたっけ。

 次はそれから17年後の平成26年(2014年)。やるやるといいつつ、そのたび立ち消えになった消費税8%にとうとう踏み切った時は、「うああ。マジかよ」と今度ばかりはぼう然。

 最初に消費税3%を導入した竹下登総理は、「新税はすべて悪税といわれるが、慣れてしまえばそれまでのことともいわれる」と言ったそうだけど、それも5%までだった気がする。

 人それぞれ、“値ごろ感”を持っていると思うんだ。たとえば私ならスカートを買うなら、かなり気に入っても1万2800円まで、とか。それが支払う段階で「税込み1万3824円です」と言われる。

 そもそも1万2800円と言ってる段階で、ほんとのところは予算1万円だけど、かなり気に入ったから、無理算段して3000円弱を上乗せしているのよ。そこに「あと1000円ちょうだい!」って、よく言うよ。

 居酒屋で飲む時だって、4000円以内でおさめたい。「4200円です」と言われると、「ああ、外税だよね」と納得できるけど、8%の「4320円」を請求されると酔いがスッと覚めちゃう。

 それが何、来月から消費税が10%だって? 「ええ~ッ! ほんとにやるの?」と驚こうが騒ごうが、決まったことはやる、てか!?

 これでも世界の中では安い方で、ハンガリーは27%、25%以上の国はアイスランド、クロアチア、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー。10%になったところで世界で10番目に消費税が安い国──なんて聞かされてもねぇ……。

 人は人、われはわれ。これまでの生活パターンをしていたら、ますます暮らしから潤いが消えるのは確かなんだよね。

※女性セブン2019年9月19日号

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