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【日本株週間見通し】日経平均21000円台回復も維持できるかは不透明

 米中貿易摩擦への懸念後退から買いが先行する形となった5日のNYダウが372.68ドル高と大幅続伸した流れを好感して6日の日経平均は5月のゴールデンウイーク後で初となる4日続伸となった。ただ、日本時間で6日夜に米8月雇用統計の発表を控えた週末でもあり、戻り待ちの売りに上値を抑えられ、後場は伸び悩む展開となった。

 今週の日経平均は上昇一服が見込まれるなか、節目の21000円台を維持できるかが焦点となってこよう。9月5日の日経平均436.80円高で東京市場の潮目は一つの変化を見た。米中通商協議は10月前半に閣僚級協議がワシントンで再開の見通しとなり、8月のサプライマネジメント協会(ISM)製造業景況指数の50割れで警戒された米国経済も、5日に発表されたADP雇用統計と8月のISM非製造業景況感指数が市場予想を上回ったことで安心感を取り戻す形となった。このほか、中国人民銀行の預金準備率の9月引き下げ実施観測、香港の逃亡犯条例改正案の撤回など、複数の懸念材料の後退が見られた。

 こうしたなか、12日にECB定例理事会とドラギ総裁会見、翌週18日にはFOMC(米連邦公開市場委員会)とパウエルFRB(米連邦準備理事会)議長会見、19日に日銀金融政策決定会合と黒田日銀総裁会見と3大金融イベントを控えることから、目先の利益を確保する動きも出てきやすいことが予想される。

 また、今週は13日の米8月小売売上高をはじめ日米中の経済指標の発表が多いことに加えて、13日はメジャーSQ(特別清算指数)が控えており、先物の動きも神経質になりやすいタイミングでもある。このほか、相場的には中立要因ながらも11日には内閣改造と自民党役員人事が予定され、3連休(14日から16日)のカレンダー事情から模様眺めムードも台頭しやすい。

 米中貿易摩擦や米国景気の動向において、過度な悲観論が後退する一方で、金融イベントとの「綱引き」が日経平均21000円台で展開される事になりそうだ。一方、物色的には10日(日本時間11日早朝)の米アップルの新製品発表見込み、12日からの東京ゲームショウ2019の開催が電子部品、ゲーム関連株を刺激する期待がある。

 先週はソニー<6758>が5日に年初来高値を更新しているが、任天堂<7974>も7月の年初来高値42050円に迫っている。また、12日には福証Qボード上場ながらピー・ビーシステムズ<4447>がマーケットに登場し、8月9日以来となるIPO(新規上場)スケジュールが動き出すことが注目される。

 今週の主な国内経済関連スケジュールは、9日に7月国際収支、4-6月期GDP改定値、8月景気ウォッチャー調査、10日に8月マネーストック、8月工作機械受注、11日に7-9月期法人企業景気予測調査、12日に8月国内企業物価指数、7月機械受注、7月第三次産業活動指数、13日にメジャーSQ算出日が予定されている。

 一方、米国など海外経済関連の主要スケジュールは、9日に米7月消費者信用残高、10日に中国8月消費者物価・生産者物価、11日に米8月生産者物価、12日に米8月消費者物価・米8月財政収支、ECB定例理事会(ドラギ総裁会見)、13日に米8月輸出入物価、米8月小売売上高、米9月ミシガン大学消費者マインド指数、米7月企業在庫、中秋節で中国休場が予定されている。

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