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【日本株週間見通し】日経平均は一時22000円突破も、調整あるか

 欧州市場がほぼ全面高となったことを受けた12日のNYダウも7日続伸となった。この流れを好感して13日の東京市場も買い先行で始まり、メジャーSQ(特別清算指数)値は21981.09円となった。トランプ米大統領の減税計画の発言も伝えられて、日経平均は後場中盤に5月7日以来となる22000円台を一時回復、その後は3連休と今週の日銀金融政策決定会合、FOMC(米連邦公開市場委員会)をにらんで高値圏でもみあう展開となった。個別ではトヨタ<7203>やソニー<6758>が連日の年初来高値更新となった。

 今週の日経平均は4月24日の年初来高値22362.92円を見据える展開となりそうだ。13日にかけて日経平均は9連騰で上昇幅は1368円となり、スピード調整および22000円大台復帰の達成感が生じてもおかしくない。また、22000円台は価格帯別出来高などから見て、売りも出やすいゾーンだ。

 秋分の日による3連休や日米で金融イベントが控えることもあって、基本的には連騰後のもみあい商状が見込まれる。しかし、12日のECB(欧州中央銀行)理事会で、中銀預金金利を0.1ポイント引き下げマイナス0.5%とするのに加えて、11月1日から月額200億ユーロ(約2兆3500億円)の債券購入の実施という量的緩和(QE)の導入はサプライズとして効いている。加えて17日から18日のFOMC(連邦準備制度理事会)でFRB(米連邦準備理事会)は政策金利を25ベーシスポイント引き下げる予想がコンセンサスとなっている。

 米中貿易摩擦を背景とする景気懸念の後退や金利低下による過剰流動性相場への期待が、引き続き日経平均の下支え材料として働いてくる。こうした欧米による金融緩和の一方で、18日から19日の日銀金融政策決定会合が焦点となってくる。日銀が無策だった場合は、為替の円高が誘発されるリスクがある。フォワードガイダンスの文言修正などの緩和手段に関心が向くことになるだろう。一方、米中貿易摩擦は引き続き相場の波乱要因であることは間違いない。中国との暫定合意検討説や関税先送り案などが報道され、緩和期待に傾斜しているマーケットだけに、協議を妨げる悪材料が出た時の反動も大きくなる。

 物色的には、米国長期金利の反転で自動車や金融、素材といった景気敏感型のバリュー銘柄の浮上が顕著となってきた。金融株からハイテク株に循環物色が進展し始めている。9月第1週(2日~6日)の投資部門別売買動向(現物)では、海外投資家が6週ぶりに買い越しに転じて、買越額は1284億円と4月4週以来の約4カ月ぶりの規模に膨らんだ。とくに、現物と先物の合算では2週連続で買い越し、買越額は3562億円(前週の買越額は71億円)に急増している。9月第2週の買い越しもまず間違いなく、主力プレーヤーの海外投資家の市場復帰は追い風だ。バリュー株の台頭は日本株の出遅れ感が意識しやすくなるため、日経平均は4月24日の年初来高値を意識してくることになるだろう。

 今週の主な国内経済関連スケジュールは、16日が敬老の日で東京市場休場、17日に東京商品取引所に電力先物が試験上場、18日に日銀金融政策決定会合(19日まで)、8月貿易統計、8月訪日外客数、19日に黒田日銀総裁会見、7月全産業活動指数、基準地価公表(国土交通省)、20日に8月消費者物価が予定されている。

 一方、米国など海外経済関連の主要スケジュールでは、16日に中国8月の小売売上高・都市部固定資産投資・工業生産、米9月NY連銀製造業景気指数、17日にFOMC(18日まで)、米8月鉱工業生産・設備稼働率、米9月NAHB住宅市場指数、18日にパウエルFRB議長会見(経済見通し発表)、米8月住宅着工件数、米8月建設許可件数、19日に米4-6月期経常収支、米9月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数、米8月CB景気先行総合指数、米8月中古住宅販売件数がそれぞれ予定されている。

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