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格差社会は「平和の代償」という不都合な真実

 実はこれは、アメリカの歴史学者ウォルター・シャイデルが『暴力と不平等の人類史』(東洋経済新報社)で述べていることで、歴史的に見れば、平和な時代にはどこでも格差が拡大している。であるならば、そうした不平等を是正するにはどうすればいいのか。

「シャイデルはこの大著で、人類史に平等をもたらした4人の『騎士』を取り上げています。それは『戦争』『革命』『(統治の)崩壊』『疫病』です。二度の世界大戦やロシア革命、文化大革命、黒死病(ペスト)の蔓延のような『とてつもなくヒドいこと』が起きると、それまでの統治構造は崩壊し、権力者や富裕層は富を失い、平等が実現するのです。

 そのように考えれば、戦前までは格差社会だった日本が戦後になって突如『一億総中流』になった理由がわかります。ひとびとが懐かしむ『平等な社会』は、敗戦によって300万人が死に、国土が焼け野原になり、アメリカ軍(GHQ)によって占領された“恩恵”だったのです。

 これが正しいとするならば、『いかなる犠牲を払っても平等な世界を実現しなければならない』と主張するひとは、その前にまず社会全体を“破壊”しなければなりません。シャイデルによれば、そのもっとも効果的な手段は核戦争です」(橘氏)

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