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貧困が招くうつ病、転倒して寝たきりになるリスクも高い

うつ状態は転倒を引き起こしやすい(イメージ)

うつ状態は転倒を引き起こしやすい(イメージ)

 近藤さんは、うつはそれ自体の苦しさもさることながら、さらなる病気や不調を引き起こしやすいところが問題だと話す。

「うつになると物事への興味や喜びを失い、食べる元気も眠る元気もなくなってしまう。罪悪感にかられて自死する人もいて、自殺した人の6割にはうつ状態がみられたというデータもあります。

 さらにうつ状態が一定期間続けば、認知機能が低下しやすく、心疾患を発生しやすいこともわかっています。うつが恐ろしいのは、ほかの病気を誘発し、心身の機能低下や死亡する確率まで高めるところなのです」(近藤さん)

 低所得の人がうつ状態になりやすい理由の1つは、生活の不安や薄給かつ長時間にわたる仕事など、過度な心的負担にさらされているからだと考えられる。一生懸命働いても収入は上がらず、負担のかかる仕事を続けるうちに、うつになってしまうことがあるのだ。

 そのうえ、貧困に由来するうつは「要介護」とも密接な関係があるという。

「うつの人は、体を動かす量が減って、身体機能も低下します。それらの結果、転倒しやすいことがわかっています。高齢になるほど転倒すると骨折しやすく、完全には回復できずに寝たきりになるリスクも高まり、要介護の状態を引き起こしやすくなる。低所得の人や教育を受ける機会が少なかった人を追跡すると、うつや転倒が多く、要支援・要介護認定を受けやすいのです」(近藤さん)

※女性セブン2019年10月31日号

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