キャリア

大学受験で現実に存在する経済格差 「最も恵まれた層」の実態は

受かる・受からないは親の経済力で決まる面も?(イメージ)

受かる・受からないは親の経済力で決まる面も?(イメージ)

 2020年度から始まる予定だった大学入学共通テストでの英語民間試験の導入は、萩生田光一文部科学相の“身の丈発言”が大きな反発を招き、その影響もあってか延期されることになった。日本の教育のトップに立つ文科相の、格差を是認するような発言が問題視されるのは当然だが、現実に目を向ければ、世の中は常に公平ではない。自らを「最も恵まれた受験生だったと思う」と語るYさん(40代・男性)が、その実態を明かしてくれた。

「私は都内の中高一貫の私立校に通いましたが、振り返ると、大学受験に関しては本当に恵まれた環境でした。まず、中学受験で選別された生徒が集まっているため、頭脳レベルが均一。教師は基本的に6年間持ち上がりなので、各教科の教師が生徒一人ひとりの特性を把握しています。

 カリキュラムは、高2終了時点で高校の全課程を終了し、高3は丸々1年受験対策。私は私立文系コースでしたが、高3になると理系科目は一切なく、授業の大半は受験科目の英・国・社でした。

 さらに各教科に受験のスペシャリストのような教師がいて、受験で点数を取るノウハウを熟知しており、テクニックを徹底的に教えてくれます。追い込みの時期になると、学問というよりは“点取りゲームの攻略法”でしたね」(Yさん。以下同)

 受験直前の丸一年、“余計な”科目を学ぶことなく、目標に向かって突き進めるというわけで、受験対策という点に限れば、これほど恵まれた環境はそうはないだろう。またKさんが通った学校は、それ以外の環境にも特筆すべき点があった。

「学校が山の手線内の文教地区にあり、近隣は塾や予備校だらけで、授業を補完する環境も完璧。模試や英検などを受ける際も、会場は近くの大学や予備校なので、気楽に受けることができました。大きな書店も近くにあり、参考書を選ぶ際もよりどりみどりでした」

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