閉じる ×
中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

令和に残る昭和の慣行 お酌、はんこ文化…は今も必要か?

お酌文化はいつまで続く?

お酌文化はいつまで続く?

 平成が幕を閉じ、令和の時代に入った。しかしながら案外と2つ前の時代である「昭和」の風習や慣行はいまだに残り続けている。もちろん、それが良いものならば残り続けることは意味があるが、「それって本当に必要か?」「無駄では……」と思えるようなものも少なくない。そうした「令和に残る昭和の無駄な慣行」についてネットニュース編集者の中川淳一郎氏が考察する。

 * * *
 師走になると、営業マンが大量のカレンダーを紙袋に入れて得意先を回る姿を見るようになります。カレンダー自体は便利なものではありますが、1つの部署にあまりにもたくさんのカレンダーが集まってしまうことがあるんですよね。部署にカレンダーは1つあればいいので、カレンダーをあまりもらわないような部署に持っていこうとしても、彼らは自社のカレンダーをすでに手配済みだったりする。かくしてカレンダー余り現象が毎年のように続くのです。

 そして忘年会シーズン、最近は1杯目から「ビール以外の人!」という注文の仕方が定着した感もあり、これは「来てるね、令和」という感じがします。「烏龍茶」と言った場合の「えっ、ソフトドリンク飲むの?(ざわざわ)」といった平成初期の頃の空気感もなくなり、これまた良い流れだと思います。ビールを強制するのではなく、皆が飲みたいものを自由に飲めるようになって良かったです。あと、平成初期は男性がカルーアミルクみたいな甘い酒を飲むと「男のくせにそんな女子供が飲むような酒飲みやがって!」なんてことを言う人もいましたが、今はこの風潮もなくなり良かったです。

 しかしながら、いまだに「お酌」が残っているのって何なんですかねぇ。生ビールを注文すると、その店の注ぎ方がヘタクソだと美味しくないことがある。そんなリスクを考えて、私は瓶ビールを頼むことが多いのですが、若者の中にも「お酌命!」みたいな人がいて、とにかく少しでもグラスの中身が少なくなったら補充してくれる。「そんなことしないでもいいですよ」と言うも、先方はこちらが遠慮しているのではないかと捉えるのか、お酌をし続ける。各人が好きなペースで飲めばいいのにな、と思うわけです。

 あとは「はんこ」ですよ。竹本直一IT担当大臣は、「はんこ議連」に所属していますが、はんことデジタルの共栄を図ると宣言し、「はんこ大臣」のあだ名もネット上ではついています。実際、私もちょっとした講演などをすると、その謝礼を受け取る時用の「認め印」を持ってくるよう言われることがあります。

関連キーワード

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。