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遺言保管制度が新設 自筆証書遺言に書くべき4つのポイント

「自筆証書遺言」に何を書くべきか?

「自筆証書遺言」に何を書くべきか?

 今年は相続のルールが大きく変わる。7月10日には、本人が作成した自筆証書遺言を法務局が保管する「遺言書保管制度」がスタート。

 これまで自筆証書遺言は「紛失」や記載内容の不備による「無効」などリスクがつきまとったが、「新制度を利用すればこうしたトラブルを防げるようになると思われます」と、円満相続税理士法人代表の橘慶太氏は指摘する。

「申請時に法務局の遺言保管官が作成日時や署名の抜け落ちなど、形式上の不備について無料でチェックしてくれるので、記載漏れで“無効”になるリスクが避けられます。また、法務局で保管されている遺言書については面倒な家庭裁判所での“検認”(※注)が不要になる。

 遺言書の保管後も、本人は何度でも内容を書き換えられますし、相続開始後は、相続人が申請すれば有料で遺言書の閲覧や写しの交付が受けられます。相続人の1人が遺言書を閲覧した時点で、法務局が他の相続人全員に遺言書を保管していることを通知するので、無用なトラブルが回避できる」(橘氏)

【※注/相続人などが立ち会いの下、遺言書の内容や偽造の有無などを裁判官が確認する手続き】

 これまでの煩雑な手続きが大幅に省略されることになるわけだが、別掲図の通り遺言書の書き方については注意を払う必要がある。

「法務局の保管制度を利用すれば書類の形式的なミスは指摘してもらえますが、遺言内容については本人が詳細に記入しなくてはなりません(ポイント1、2)。ローンや借り入れなど“負の財産”も漏れなく記載する必要があります(ポイント3)。

 遺言書に記載されていない財産が相続開始後に見つかると、その部分について遺産分割協議をすることになるので、残された家族に大きな負担が生じることがあります」(同前)

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