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銀行窓口で母の死を告げた途端に口座凍結、解除までの手続き地獄

口座にお金があるのに引き出せない苦しみ…(イメージ)

口座にお金があるのに引き出せない苦しみ…(イメージ)

 正月は、普段離れて暮らす家族や親族が集まる絶好の機会。年々老いていく親を見て、「そろそろ相続について話し合わないと…」と、フト思ったりするものの、実際はほとんどの人が先延ばしにしがちだ。これまで1万4600件以上の相談に乗ってきた、相続コンサルタントの曽根恵子さんが話す。

「相続は、つまりお金の話ですから、親子といえども切り出しにくいのはわかります。“まだ元気なのに、死んだ後の話をするのか”と言われたり、“久しぶりに帰ってきたと思ったら、遺産が欲しいのか”と警戒されたり。きょうだい仲がよくなくて、腹を割った話し合いがしにくいというケースも少なくありません。

 でも、そういうご家族に限って、いざ相続になると揉めるんです。一向に相続の手続きが進まなくて、こんなはずじゃなかったという思いをする人も多い」

 遺産を巡る骨肉の争い、いわゆる“争続”の件数は、この10年で1.5倍に増えた。「ウチは関係ない」なんて高をくくっているあなたの家族だって、親の死を悲しむ間もなく、相続に頭を抱えることになるかもしれない──。

亡くなったとたんに銀行口座が「凍結」

 親の死後、まず必要なのはまとまったお金だ。病院に払う医療費や、葬儀にかかる費用。帰省に必要な交通費や宿泊費もかかるかもしれない。お金がなければ、故人を送り出すこともままならない。千葉県在住の主婦・山下さん(仮名、58才)が打ち明ける。

「母の死後、長女の私が立て替えていた300万円ほどのお金を、母の銀行口座から引き出すため、通帳だけ持って銀行へ行きました」

 山下さんは窓口の女性行員に事情を説明した。3週間前に母が亡くなったこと、印鑑が見当たらないが通帳があったのでお金をおろしたいこと。暗証番号? きっと父の誕生日じゃないかな…。

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