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遺言状の作成現場を動画で撮影 法的な証拠となり得るか

遺言を確実なものとするにはどうすべきか

遺言を確実なものとするにはどうすべきか

 遺産相続はトラブルがつきもの。たとえ遺言が存在しても、本物かニセモノかで揉めるケースも珍しくない。そういったことを防ぐために、遺言の作成現場をスマホの動画で撮った場合、それは証拠になるのか? 弁護士の竹下正己氏が回答する。

【相談】
 父が遺言状を作成するので、その様子をスマホの動画に記録することに。映像に残せば、信憑性が増すと考えたからです。しかし、友人の話だと、日本の裁判制度はいまだ書面が絶対的で、何か問題が起き、映像を提出しても、参考程度にしか扱われないとか。そうなると、動画を撮影しても無駄ですか。

【回答】
 遺言を書くことは、極めて私的な事柄ですが、お父さんが嫌がらなければ、スマホ動画の撮影はマイナスではありません。

 ただ、遺言を確実にしたいというのであれば、公正証書遺言が最適です。お父さん自身が公証人役場に出向くか、身体が不自由なら出張してもらい、公証人に自分の遺言の希望を伝え、公正証書にするのです。公証人が遺言者の真意の確認はもちろん、遺言できる能力の有無まで配慮して作成するので、後からクレームをつけられることは、まずありません。実際の段取りでも、公証人に予め遺言の希望を伝えて相談するので、内容的にも矛盾がない遺言になります。しかも、遺言書の原本は公証人役場で長期間保管されます。

 もっとも、今般の相続法の改正で、自筆の遺言書でも内容全文、日付氏名の自書押印は変わりがありませんが、遺言の対象になる財産の目録を作成し、遺言書に添付する場合には、その目録に限って自書不要になりましたから、自筆証書遺言の利用も続くと思います。

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