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【日本株週間見通し】日経平均の下値模索は続くのか、中銀や政府動向などにも警戒

 3日続落となった日経平均は一時1800円超値下がりし、取引時間中として2016年11月10日以来となる3年4か月ぶりの17000円台割れをみた。後場に入り、アジア株の下げ幅縮小、米株価指数先物の時間外取引での上昇、日銀による金融市場への緊急資金供給が伝えられると、下げ幅を縮める場面があったものの大引けにかけては再度売りが先行した。日経平均は1128.58円安の17431.05円で大引けた。なお、この日のメジャーSQ値は17052.89円だった。

 今週の日経平均は、引き続き下値を模索する展開となりそうだ。日本時間12日の午前、米国は新型コロナウイルスの感染拡大を阻止するため、英国を除く欧州からの入国を30日間停止すると発表、感染者が1万2000人超とされるイタリアでは薬局やスーパーなど生活必需品を扱う店舗以外を2週間にわたり全面的に閉鎖、国内では東京五輪の開催問題が燻るなど、新型コロナウイルスのパンデミックによる経済・企業業績への影響が一段と深刻となっている。

 世界連鎖株安の状況下、マーケットはファンダメンタルズに基づく取引とはなっていないため、日経平均は明確なボトムが見極めづらい。16日の日本時間11時に発表される中国の1月・2月小売売上高、17日発表の米2月小売売上高、19日の米10-12月期経常収支など経済指標に対する警戒感も強い。

 東京証券取引所が12日に発表した3月第1週(2-6日)の投資部門別売買動向で、海外投資家は現物株を1535億5655万円と4週連続で売り越したことが明らかとなった。株価指数先物を合わせると1兆1000億円超の大幅売り越しとなっている。需給的にも海外投資家売りが止まらない厳しい状況が続いている。このほか、20日は春分の日で東京市場は休場となることから、週後半は手控えムードも強まりやすいだろう。

 こうしたなか、今週は17日にFOMC(米連邦公開市場委員会)、18日にパウエルFRB議長会見、日銀金融政策決定会合、19日に黒田日銀総裁会見と日米の金融イベントが相場の下方圧力を軽減できるかが一つの焦点となってこよう。また、リーマン・ショック以来の株価暴落と急速な景況感の悪化から、政府・与党内で新たな経済対策に向けた動きが伝えられている。一部報道では事業規模10兆円から20兆円の経済対策案が浮上している。日米の金融・政策当局からのアナウンス内容次第では、5週連続安の間、23000円台から17000円割れまで7000円超の値幅で直線的に下げた日経平均の自律反発が生じやすいタイミングでもある。

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