閉じる ×
投資

iDeCoの節税効果の数々 受取時は「退職所得控除」「公的年金等控除」も

夫が月2.3万円、妻が月2万円を年率3%でiDeCoで投資した場合の試算

夫が月2.3万円、妻が月2万円を年率3%でiDeCoで投資した場合の試算

 これまでイデコ(個人型確定拠出年金=iDeCo)は、企業型の確定拠出年金(DC)に加入している人はほとんど加入できないという規則があったが、6月5日に公布された「年金制度改正法」により、そうした“壁”が取り払われることになった。2022年10月からDC加入者も2万円の上限以内でイデコを運用できるようになる。

 大きく間口が広がり注目されるイデコだが、加入するとどれだけの「お得」が見込めるのだろうか。

 イデコ加入で見込める大きなお得は節税効果だ。具体的には【1】所得控除、【2】運用益の非課税、【3】受け取りの際の税額控除の3つ。まず、所得控除について、ファイナンシャルプランナーの山中伸枝さんが語る。

「サラリーマンやパート主婦が働いて収入を得たら、その額に応じて所得税や住民税がかかります。ところが、イデコに掛け金を払えば、その金額分を収入から差し引いた上で税金が計算される。結果的に税額が安くなるんです」

 たとえば夫が月2万3000円、専業主婦の妻が2万円をイデコで20年間積み立てて年率3%で運用した場合、夫婦の住民税と所得税は合計182万円節税される(図参照)。元本と利益を合計した積み立て額は1408万円にのぼる。

 次に、「運用益が非課税」とはどういうことか。ファイナンシャルプランナーの横川由理さんが話す。

「投資信託などの金融商品で運用した場合、利益の約20%の税金がかかります。ですが、イデコならそれがかからないで済む」

 前述の夫婦の場合、利益は376万円となる。本来ならばその20%の約75万が税金となるが、イデコの場合はそれが課税されずに済むのだ。最後に、「受け取りの際の税額控除」について。

「イデコの受け取り方は大きく分けて『一括(一時金)』と『分割(年金)』と『一括と分割の併用』の三択です。一括で受け取る場合、“退職金”として扱われ、積立期間が勤続年数とみなされる。

 退職金は所得の中でも『退職所得』と称され、勤続年数に応じて退職所得控除が認められます。さらに、分離課税となるので通常の給与所得より、税金が優遇されています。イデコは個人の資産形成ですが、それを退職金とみなし、さらに自分で掛け金を積み立てた加入期間を勤続年数として『退職所得控除』が使えます」(山中さん)

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。