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出口治明×坂東眞理子 歳を重ねたら親友よりも“新友”の心意気で

「女性は生活能力があるのですから、熟年離婚を恐れなくても生きていけますよ」(坂東眞理子)

「女性は生活能力があるのですから、熟年離婚を恐れなくても生きていけますよ」(坂東眞理子)

坂東:中国史上における唯一の女性皇帝・則天武后も評価はわかれますが、優れた能力のある女性でした。

出口:近頃は在宅勤務で夫婦仲が危機に瀕して“コロナ離婚”を招くなどといわれています。坂東先生がおっしゃった通りで夫婦間のソーシャルディスタンシングでお互いに我慢ができていた部分も大きい。定年で夫が家庭に戻ってきたタイミングは夫婦関係を見直すいい機会になると思います。同年代の夫婦と仮定すれば、人生100年時代では60才からまだ40年もあるんです。朝昼晩と食事でグズグズいわれるのは嫌だなと感じたら出ていくという選択肢もある。女性は生活能力があるのですから、熟年離婚を恐れなくても生きていけますよ。

尻込みせずに何でもでも挑戦しよう

坂東:近年、熟年離婚が増加傾向にある背景には、女性が仕事で収入を得られるようになったことも挙げられています。でも私は子供の時分から「若くて元気なうちは独身でも子供がいなくてもいいけれど、老いて体が弱った時に家族があった方が安心だから」と言われ続け、将来に備える保険として結婚や家族が必要なものだと思い込んできました。

出口:人間は社会的動物でひとりでは生きられない。何かあった時にひとりでは心細いというのはありますね。ですが、頼れる人は身内に限りません。友達だって頼りになる存在です。学生時代の友達、ママ友、趣味のサークルを通じた友達などネットワークを幅広く持って、「いざとなれば1週間ぐらいは誰かの家で過ごせるから大丈夫だわ」と気軽に考えたら、身軽にもなります。

坂東:歳を重ねたら親友よりも“新友”の心意気ですよね。

出口:その通りです。だからパートナーが耐えがたいという女性には5年計画で毎年新しい友達を作っていきましょう、と話しています。手始めに外へ出て働いてみる。友達と一緒にパートを始めれば助け合って向上心も高まり、なおいいと思います。

坂東:女性が自分自身の意思で行動することが大事ですね。スーパーのレジや介護施設など人手を必要とする職場はたくさんありますから、60代からいざ働こうとした時にも受け皿はあります。そこで自尊心を満足させたい、納得のいく収入を得たいと思うのであれば、何か売りになるようなスキルがあるといいと思いますね。語学を磨くにも、あまり人が勉強していない国の言葉にチャレンジしてみる。自分が社会から必要とされるかどうかを、ものさしとして考えてみてはいかがでしょうか。

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