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油断しがちな「9月の紫外線」、特に今年は要注意

昨年は9月に入っても猛暑が続いた(2019年、写真/時事通信フォト)

 毎日何気なく目にする天気予報。だが、通勤や移動、旅行の計画から健康状態まで、天候の変化は日々の暮らしに大きく影響するもの。気象予報士の田家康さんが、旬なテーマをピックアップし、知って得する天気のお役立ち情報をわかりやすく伝える。今回は、油断しがちな9月の紫外線について。

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 もうすぐ9月に入るというのに、まだまだ日差しの強い日々が続いている。特に今年の夏は、猛暑と熱帯夜の日数が平年より2倍以上多いとされる。そのため9月も引き続き暖かい空気が流れ込みやすく、秋のお彼岸の頃までは残暑が厳しい見通しだ。そこで気になるのが夏の紫外線。今年の9月は7月並みの紫外線量となる地域もあり、油断は禁物だ。

「紫外線」と一言で言っても、波長の短い順からC領域(UVC)、B領域(UVB)、A領域(UVA)と、波長の長さによって3種類に分けられる。C領域は、大気上層にある酸素やオゾンによって完全に吸収されるため、地上では観測されない。B領域も同様の理由で地表に届くのはごくわずかだが、少量でも遺伝子に影響を及ぼす有害なもので、皮膚がんの一因となる。また、B領域は肌の日焼けを起こし色素沈着により肌も黒くなる。巷で言われる「UVケア」の対象はB領域のことなのだ。なお、A領域は身体に影響がないとされ、日焼けサロンで利用されているが、近年では長期間の照射により肌の老化を促すと言われる。

 紫外線量の多さを示す指標として「UVインデックス」がある。これはB領域からA領域の波長を細かく分け、地上での波長の強度を示したもの。強度が1~2の「弱い」は、安心して戸外で過ごすことができ、3~5の「中程度」及び6~7の「強い」は、日中は日陰で過ごし、日焼け止めクリームの利用や帽子の着用が推奨される。8~10の「非常に強い」及び11以上の「極端に強い」になると、外出は出来るだけ控え、日焼け止めクリームの利用や帽子、長袖シャツの着用が必須とされる。

 例年のUVインデックスの傾向は、東京の場合、4月の平均が中程度の「4」台半ばであるのに対し、5月の平均は「5」台半ばから後半と一気に上昇する。この時期から、テレビなどの気象番組では紫外線対策を取り上げはじめ、街角や電車内などでも化粧品会社によるUVケア商品の広告が目立つようになる。その後、日照時間を反映して7~8月にUVインデックスのピークが訪れる。年によってバラツキはあるが、東京では概ね「6」台と「強い」時期が続き、9月に入ると秋に向けて緩やかに低下していく。

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