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コロナ禍で中国製マスクを輸入した男が200万円を失った顛末

「ゴム紐の接着剤がトゲのようにはみ出ていて、装着すると頬の辺りがチクチク痛かった。また、ゴム紐が外れているものやすぐ外れるものも多く、とても検品したと信じがたい代物でした」

 T氏は直ちにU氏にクレームを入れようと試みたが、一向に連絡がつかない状況が続いているという。T氏はA氏に対して責任を感じ、A氏がU氏に支払った200万円を弁済。そのうえで、U氏を提訴するべく、弁護士と手続き中だというが、訴訟準備費用として既に20万円以上費やしたという。U氏から受け取った20万円の仲介手数料を引くと、まるまる200万円の損失である。正体不明のナゾノマスクの背後には、魑魅魍魎がうごめいていたということか。

【プロフィール】
奥窪優木(おくくぼ・ゆうき)/フリーライター。1980年、愛媛県生まれ。上智大学経済学部卒。ニューヨーク市立大学中退後、中国に渡り、医療や知的財産権関連の社会問題を中心に現地取材を行う。2008年に帰国後は、週刊誌や月刊誌などに寄稿しながら、「国家の政策や国際的事象が末端の生活者やアングラ社会に与える影響」をテーマに地道な取材活動を行っている。2016年に他に先駆けて『週刊SPA!』誌上で問題提起した「外国人による公的医療保険の悪用問題」は国会でも議論の対象となり、健康保険法等の改正につながった。著書に『中国「猛毒食品」に殺される』(扶桑社)、最新刊に『ルポ 新型コロナ詐欺 ~経済対策200兆円に巣食う正体~』(扶桑社)など多数。

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