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急増する「出稼ぎワーホリ」が直面する厳しい現実 “年収1000万円”を夢見て渡豪するも「どこも雇ってくれない」「金欠で日本に帰れない」

憧れを抱いてオーストラリアにやって来たが、理想と現実が大きく異なるケースも(現地の学生寮)

憧れを抱いてオーストラリアにやって来たが、理想と現実が大きく異なるケースも(現地の学生寮)

 ここ数年、物価高が続くなか賃金上昇のペースはなかなか上がらず、くわえて円安が進行したことで、国外へ出稼ぎに行く日本人が急増している。“出稼ぎワーホリ(ワーキングホリデー)”と呼ばれるワーキングホリデーで渡航するケースも多い。ただ、高い時給で働ける海外に魅力を感じたものの、いざ現地に行ってみると、働き口がなかったり、現地の物価が高すぎたりという理由で、出稼ぎを断念して帰国するというケースも多いという。現実はそう甘くはなかった――。

 1980年に始まったワーホリの対象国は29か国・地域に広がった。なかでも最初に制度ができたオーストラリアは今、「出稼ぎ向き」と頻繁にメディアでも紹介されている。ワーホリや留学のサポートをしているメルボルン留学Time Studyの近藤啓輔氏が、現地の状況を説明する。

「オーストラリアはコロナで2年間国境を閉鎖していましたが、一昨年頃から希望者が一気に増えました。特にワーキングホリデーに関しては、本来の“ホリデー”としての休暇目的でなく、出稼ぎ目的の人が急増している印象です。オーストラリアのワーホリは、18歳から30歳という年齢制限があります。弊社へ相談に来るなかで最も多い年齢層は、20代半ば。大学卒業後、一度日本で働いた経験のある人が多いですね」

「アルバイトはどこも採用してくれず、貯金も底をついて…」

 出稼ぎ目的が急増した背景には、SNSで“海外のほうが稼げるエピソード”がたびたび発信されるようになったことが影響しているようだ。

「2022年、オーストラリアで働き始めた日本人が『今月の手取り80万超えた』とSNSに投稿し、話題になりました。日本で金属加工業に8年間従事していた時はほとんど貯金がなかったのに、オーストラリアに移住して3年で年収1000万円を超えた──というエピソードには大きな反響が集まりました。

 ほかにも日本の看護師が、オーストラリアでアシスタントナース(正看護師や准看護師の補佐する職種)の資格を取得して働き、大幅な給与増に成功した人もいる。そうした“オーストラリア・ドリーム”に影響を受けている人が多いようです。ただ、成功された方々は、金属加工や看護師といったスキルや資格が現地でも重宝されているのです。都市部の飲食店のアルバイトの求人はすでに飽和状態になっています」(同前)

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