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在宅介護のヘルパー不足 気難しい利用者は断られる時代へ

コロナ禍は介護の現場にも多大な影響を与えている(イメージ)

コロナ禍は介護の現場にも多大な影響を与えている(イメージ)

 来るべき“その時”に備えて、家族に迷惑をかけないために準備をする終活。

「介護が必要になったら自宅近くのこの施設を利用しよう」
「看取りはかかりつけ医に」
「自分の葬儀はここでやりたい」

 など、几帳面な人ほど準備や予約に余念がない。今や「人生の幕引きを整えておく」ことは、“シニア層の責任”となりつつある。

「団塊の世代」が後期高齢者となる「2025年問題」が指摘される一方、需要の増大を見込んで介護や看取り、葬儀、墓などの終活関連産業は活況を呈してきた。

 そんな見通しが、新型コロナウイルスの感染拡大で一変した。現場で今、何が起きているのか。

デイサービス「利用控え」で施設の苦境

 東京商工リサーチによると、今年1~9月の老人福祉・介護事業の倒産件数は94件(前年同期比10.5%増)。とりわけ、倒産した通所・短期入所介護事業(デイサービスやショートステイ事業)は30件で、前年同期比25%増と苦境が際立った。

 自宅から日帰りで施設に通うデイサービスは在宅介護の利用者、家族を支える存在だが、4~5月の緊急事態宣言下で「利用控え」が全国に拡大。

 神奈川県で小規模デイサービス施設を2か所運営していた経営者のA氏は、こう話す。

「“密”を避けるため、8人の利用定員を半減せざるを得ず、収入は4割減に。月の赤字が100万円近くになることがわかり、閉所するしかありませんでした」

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