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田代尚機のチャイナ・リサーチ

グローバル企業にとって米中デカップリングは悪夢でしかない

2020年11月18日 7:00

テレビ会議方式で開かれた東アジア地域包括的経済連携(RCEP)首脳会議(AFP=時事)

 2019年における世界輸入額ベスト5はアメリカ、中国、ドイツ、日本、イギリスの順となっている(資料:GLOBAL NOTE 出典:UNCTAD)。中国を100%とすれば、アメリカは124%、ドイツは59%、日本は35%、イギリスは33%である。米中について直近比較可能な最新データ(2020年1-9月累計)で比べると、中国の100%に対してアメリカの114%である。

 欧米地域の新型コロナ禍はアジア地域と比べ、明らかに酷い状況だ。ファイザー社、モデルナ社が相次いで9割を超える有効性のワクチン開発に成功、年内に供給を開始すると報道されているが、実際には3月以降にならないと十分な量のワクチンは行き渡らないといった見方もある。

 大統領選挙の最終的な決着が遅れており、トランプ大統領が敗北を受け入れず、新型コロナ禍を軽視し続けている。最終的には負けを認めざるを得ないとしても、次の選挙に出るといった憶測もあり、政治的観点からわざとコロナ対策を強化しないという見方もある。

 IMFは10月、2020年、2001年の成長率見通しを発表したが、アメリカは順に▲4.3%、3.1%、中国は1.9%、8.2%であった。中国は10月の月次統計など見ると、上振れする可能性もありそうな勢いだが、アメリカについてはワクチンの効果次第と言ったところだろう。大統領選挙後も政治的混乱は続きそうなこと、有権者間の分裂は深刻である点も考慮すれば、成長率見通しは下方修正される可能性も十分あるとみている。

 アジアの主要国では既に中国が輸出先トップとなって久しく、経済面に限れば、アメリカよりも中国の方が重要である。

 李克強首相は15日、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)首脳会議(オンライン)に出席し、地域全面経済パートナーシップ関係協定を結んだ。中国のほか、日本、韓国、ASEAN10か国、オーストラリア、ニュージーランドの15か国が参加、世界最大規模の自由貿易協定となった。ゼロ関税の品目は90%を超しているが、それぞれ各国間で税率が違う例外品目も少なくない。基本的に10年以内に関税率をゼロにするという目標があるが、かなり緩やかな目標である。関税を小さくするという経済的な損得よりも、域内において多国間主義、自由貿易主義を守るといった意味合いが強い。

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