吉田みく「誰にだって言い分があります」

優越感が欲しくて… 資源ごみ回収日に見栄を張る40代女性の本末転倒

古紙回収時に使う紙袋の話(イメージ)

 環境に優しいサステナブルファッションやエシカルフードなどが頻繁にメディアで取り上げられるなど、近年はエコを意識した生活がごく普通になっている。なかでも、ごみと資源の分別を心掛けることは、環境維持の観点においても、もっとも基本的なことだろう。今回、フリーライターの吉田みく氏が話を聞いたのは、リモート勤務がきっかけで東京23区外の戸建て住宅に夫婦で引っ越した40代女性。彼女が経験した「資源ごみ回収」にまつわるエピソードの意外な顛末とは。

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「こんなことで頭を悩ませるとは思っていませんでした……」。都内在住の会社員、菅原瑞希さん(仮名・40歳)は、ご近所コミュニティ問題で頭を悩ませていた。現在は夫婦で23区外にある戸建て住宅に住んでいる。

 新型コロナウイルスが流行し始めた頃から、菅原さん夫婦の会社ではリモートワークを推奨する流れになった。そのため自宅にいる時間が増え、今よりも広い住宅へ引っ越すことを決意。そこで選んだのが23区から離れた戸建てだったという。家賃は以前と変わらず、広い家に住めるようになったと喜んでいたのだが……。

「今までになかったご近所付き合いが出てきました。挨拶をする程度かと思っていたのですが、想像以上に詮索してくる世界でした」(菅原さん、以下同)

 引っ越して早々から、仕事内容、家族構成、年齢など……近所に住む女性たちにあれやこれやと聞かれたという。あまりいい気持ちではなかったがグッとこらえたそうだ。それよりもうんざりしたというのが、「資源ごみ回収」の日の一コマだった。

「ゴミ集積場へ資源ごみを持って行ったとき、ご近所さんたちが知名度のあるショップの紙袋を持ちながら井戸端会議をしていました。中に入っているのは厚紙などの資源ごみなのに、どこか誇らしげな表情が忘れられません……」

 商品購入時にもらえる紙袋は、デザイン性が良いだけでなく、丈夫さも兼ね備えていることが多い。特にデパートやブランドショップの紙袋は人気が高く、フリマサイトなどでも売買されるほどだ。価格はブランドの知名度や大きさにもよるが、1枚100円~で取引されているケースが多い。外出時のサブバッグや整理袋など……、色々な使い方ができそうである。

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