キャリア
2021年2月5日 16:00
今年4月からの「70歳就業法」(改正高年齢者雇用安定法)の施行が目前に迫っている。70歳まで働くのが当たり前となるなかで、長く働くか、生活のバランスを考えて少しだけ働くか、あるいは何歳で引退するかといった人生のロードマップを自分で決める「定年消滅時代」がやってくる。
「再雇用」「転職」「独立・起業」「アルバイト」など、60歳以降の働き方には大きく分けて4つの選択肢がある。どの選択肢でも、「経験」と「専門性」が重視される傾向はあるが、それぞれに違いもある。
ここでは、60歳以降に元の会社で働き続ける「再雇用」の場合をみていこう。
「地道に同じ仕事を究めた人が重宝されやすい」と言うのは、人事ジャーナリストの溝上憲文氏。
「企業が重宝するのは、“替えが利かないスペシャリスト”です。経理、人事、広報、財務など専門性の高い部門一筋の社員は、実務面だけではなく会社のことを知り尽くしており、『代わりがいないので残ってほしい』と求められることが多いのです」
一般的には、営業畑など花形の部署で活躍した人が社内で優遇されるイメージがあるが、現役時代に職場で陽の目を見なくても、定年後に光り輝くことがあるのだという。
「自身の技術を確立している人が強い」と指摘するのは、中高年向けの人材サービスを展開する「シニアジョブ」の代表・中島康恵氏。
「建設業界の施工管理技士やメーカーの開発エンジニアなど、“その人がいないとシステムが回らない”という人は、長く働くうえでは有利です」
地味でも「オンリーワン」を目指すのが、今後の勝ち組の条件のようだ。
反対に負け組になりやすいのは、「肩書きにこだわるゼネラリスト」だ。
「管理職の中には、様々な部署を渡り歩いて会社をまとめる力を身に付けてきた人が多い。しかし、専門性が身に付いていないというケースが少なくありません。会社にとってそういう人は扱いづらく、元部下からも煙たがられ、結局、慣れない部署に飛ばされやすい。すると、仕事のやりがいを失っていってしまいます」(溝上氏)
広範な知識を身に付け、現場や職場を統括する人の評価が高かった50代までとは反対の評価基準になるともいえる。それを踏まえ、60歳以降も長く働く定年消滅時代に備えたい。
※週刊ポスト2021年2月12日号
当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。
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