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「長期保存用ミネラルウォーター」は通常商品と何が違う? 各メーカーに聞いた

下が富士ミネラルウォーター保存水の段ボール、上が通常飲料商品(他社)の段ボール。厚さが全然違う

下が富士ミネラルウォーター保存水の段ボール、上が通常飲料商品(他社)の段ボール。厚さが全然違う

「保存水には厚めのペットボトルを使用しています。長期保管による水分透過を抑制し、ボトルの変形防止、変形による縦方向のボトルの潰れを防止できます。段ボールはより強度のあるものを使用することで、外部からの衝撃を緩和。取っ手の穴はあえて設けず、ほこりや害虫の侵入を防ぎます。賞味期限は保存水5年、通常商品は2年です」(前出・担当者)

【各サイズの特徴】

・2L⇒大容量のため、飲用以外にもアルファ米の炊き出し、食器すすぎ、洗濯など、様々な使い方ができる。
・1.5L⇒数日に分けたり、家族や避難所などで数人と分け合うことが可能。
・1L⇒数日に分けたり、数人と分け合うことも可能。登山用リュックなどに差し込み、持ち運びができる。
・500ml⇒1人用。配布が容易で携行しやすいため、持ち出し袋などで保管することもできる。

ラベルにも各社通常商品にはない工夫が凝らされている。非常用であることが一見してわかるほか、1日の水分摂取量の目安も

ラベルにも各社通常商品にはない工夫が凝らされている。非常用であることが一見してわかるほか、1日の水分摂取量の目安も

【保存のコツ】

 押さえておきたいのは保存のコツだ。担当者によれば、保存水の周辺に臭気の強いもの(ガソリン、歯磨き粉、カビ臭など)を置くのはタブー。臭いを吸収する恐れがあるので避けるべきだという。さらに長期保管が可能な商品だからといって油断は禁物。「食品であるため、屋内の空調設備のある暗室が最適」とのこと。

ミネラルウォーターもローリングストックする意識

非常時のための水も、慣れ親しんだブランドを選ぶ傾向があるという

非常時のための水も、慣れ親しんだブランドを選ぶ傾向があるという

 続いて、サントリー食品インターナショナル。「サントリー天然水 備蓄用」の2Lペットボトルを2017年から販売しており、2020年には備蓄啓発のために500mlを発売した(現在は販売終了)。実は昨今、この小容量ボトルの需要が高まっているという。

 同社独自の「買い置きしているミネラルウォーターの容量別割合」の定点調査では、2019年に「小容量のみ」を買い置きする人の割合は、調査を開始した2013年比で約2倍に増えているという。その理由としては、「災害時に使いやすいと思うから」「災害時に限らず、日常的に使いやすいと思うから」と回答する人が多かった。

 また、防災意識が高まるなかで、「安心感」を求める声も大きい。いかにも非常食といったものではなく、非常時だからこそ、なるべくいつも飲食しているものと同じものを口にしたいと考える人は多く、同社が実施した防災バッグの準備・点検に関する実態調査では、準備するものについて、半数以上の人が「慣れ親しんだものを優先して選びたい」と答えている。

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