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【日本株週間見通し】今週の日経平均は一進一退か 米CPIなどにも注意

 一方、トヨタやホンダ<7267>など、自動車を中心とした景気循環株の強さが続くかに注目したい。先週、トヨタは8日連続で上場来高値を更新する別格の強さを誇った。心理的な節目となる1万円には僅かに届かなかったが、強い動きは継続しており、今週、1万円を突破してくれば、裾野産業も広いだけに、景気循環株のサポート役になりそうだ。千差万別だが、デンソー<6902>や、武蔵精密工業<7220>など、自動車部品メーカーでも上場来高値を更新し続ける銘柄がみられており、この先も広く自動車セクターに注目したい。

 また、先進各国と比べて遅れていた国内でのワクチン接種のスピードが加速していることなどを背景に、5月第4週から先週にかけては、空運、旅行サービス、レジャー、百貨店、陸運など、アフターコロナ関連銘柄の強さが目立っていた。ただ、ワクチン接種が加速しているとはいえ、政府が掲げる1日100万回接種にはまだ及んでいないことなどを踏まえれば、息の長いテーマにはなりにくいと思われる。そのため、3週目に入る今週も、強い動きが見られるかは定かではないが、物色テーマが少ないこともあり、引き続き注目したい。とりわけ、先週後半の強さが目立ったものの、いまだコロナショック以降の出遅れ解消余地が残る、陸運JR各社や、空運の航空大手、百貨店などに注目だ。

 そのほか、週前半には、7日に景気動向指数、8日に景気ウォッチャー調査などが発表される。景気「先行」指数や景気ウォッチャーの「先行き」見通しなど、先行きに改善の兆しが確認されるかに注目するとともに、出遅れ内需、アフターコロナ関連の後押し材料となるかに注目だ。

 そして、週末のメジャーSQも注目。3カ月に1回のこのイベント前後では、相場のムードが一変することがあり、来週に注目のFOMCを控えていることも考慮すると、今回は大きな節目となる可能性がある。

 今週は、米5月CPI、メジャーSQなど、週後半にかけて注目度の高い指標やイベントがあり、全体としては引き続きこう着感の強い相場展開となりそうだ。来週のFOMCというビッグイベントも踏まえれば、今週中にあえて新規にポジションを組むことは推奨しにくいと考える。

 なお、今週は、7日に4月景気動向指数、中国5月貿易収支、8日に4月毎月勤労統計調査、5月景気ウォッチャー調査、米4月貿易収支、9日に中国5月生産者物価指数、10日に5月都心オフィス空室率、欧ECB定例理事会、米5月消費者物価指数(CPI)、11日に4-6月期法人企業景気予測調査、などが予定されている。

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