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【日本株週間見通し】今週の日経平均は一進一退か 米CPIなどにも注意

先週の日経平均は小反落だったが、今週は?

先週の日経平均は小反落だったが、今週は?

 投資情報会社・フィスコが、株式市場の5月31日~6月4日の動きを振り返りつつ、6月7日~6月11日の相場見通しを解説する。

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 先週の日経平均は一進一退の末に小反落となった。週末の米雇用統計を前に週を通じて様子見ムードが強く、概ね、25日移動平均線が位置する28600円から75日線が位置する29200円の間でのレンジ相場となった。

 米国を中心とした根強い経済活動正常化への期待感のほか、原油価格の上昇などが全体の市場心理を下支えるなか、遅れていた国内でのワクチン接種の進展も好感され、ハイテクやグロース(成長)株よりは、景気循環株が相対的に強含む1週間となった。

 特に話題となったのが、週末に大台の1万円目前まで迫ったトヨタ<7203>。8日連続で上場来高値を更新するなど、際立った強さをみせた。また、政府が新型コロナウイルスのワクチンに関し、12~64歳の一般向けの接種にも本格的に着手するとし、今月21日からは職場や大学でも接種できるように体制を整えていく方針と伝わったことが追い風となり、先週も経済活動正常化を見越したアフターコロナ関連への物色が賑わった。前週同様に、空運のJAL<9201>、ANA<9202>、旅行サービスのエイチ・アイ・エス<9603>なども上昇したが、とりわけ、JR西<9021>、JR九州<9142>、JR東海<9022>などの陸運のほか、高島屋<8233>、三越伊勢丹<3099>などの百貨店の強さが目立った。

 また、グロース株の上値が重いなか、政府が公表した成長戦略の原案の中で、経済安全保障の観点から半導体産業の国内誘致を進めるために政策を総動員する方針が示されたことを受け、週後半には半導体関連が大きく上昇する場面があった。特に、半導体業界での微細化技術の進展を背景に、EUV(極端紫外線)対応のマスクブランクス欠陥検査装置を手掛けるレーザーテック<6920>は10連騰と、上場来高値更新劇を続けた。

 今週の日経平均は一進一退か。週初は、先週末に発表された5月の米雇用統計を受けた長期金利や米株式市場の動きを反映することとなろう(執筆時点では結果未公表)。その後は、来週に控える米連邦公開市場委員会(FOMC)や、週後半の米5月消費者物価指数(CPI)、週末の先物・オプション取引に係る特別清算指数算出(メジャーSQ)などを前に、神経質な展開となりそうだ。

 先週末、米国での市場予想を上回る景気・雇用関連の指標を背景に、米長期金利が上昇するなかグロース株が軟調となったが、こうした動きは、今週も続く可能性がある。来週のFOMCを前に派手な動きは見られにくいと想定されるが、前回、4月のCPIを受けて株式市場が急落した「CPIショック」を踏まえれば、10日に発表される5月のCPIには改めて警戒が必要で、その前にグロース株が持ち直すことは想定しにくい。

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