真壁昭夫 行動経済学で読み解く金融市場の今

間近に迫る「株高トレンドの終焉」 テーパリング具体化で7月後半にも

 しかし、この「8月」にも、いよいよその「法則」が通用しなくなるかもしれない。米国では8月下旬、世界各国の中央銀行総裁などが一堂に会する経済政策シンポジウム「ジャクソンホール会議」が開かれる予定となっている。新型コロナのワクチン接種が進み、景気回復に伴うインフレまで懸念されるようになっている米国では、テーパリングの議論が高まるのは必至の情勢だろう。

米国のインフレ懸念は「一時的」なものではない

 米国経済をよくよく点検してみると、インフレが「一時的」では済まされないような「ボトルネック」が随所に見られる。まず原油価格の高騰は、ガソリンを大量消費する米国にとって大きなインフレ要因となる。また、昨今の半導体不足によって自動車などの生産が追いつかず、品薄状態による物価上昇も考えられる。

 さらには、米国の消費拡大が最も期待されるクリスマス商戦も見逃せない。中国などからの雑貨輸入が伸びると見込まれているなか、現状、それをさばく港湾施設の労働者が戻ってきていない。荷動きが鈍くなることで品薄状態となれば、クリスマス商戦における物価上昇も想定される。こうしたボトルネックの数々を考えていくと、やはりFRBはインフレを放置できなくなり、テーパリングが具体化する可能性は高まってくるのではないだろうか。

 日本にとって8月と言えば、東京オリンピック・パラリンピックの真っ只中である。菅政権が思い描くような「安全・安心な大会」となれば良いが、既に懸念されているように大会の最中に感染拡大が進めば、ただでさえ疲弊している国内経済に追い討ちをかけることも考えられる。

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