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日本の外食ブームは女性の嗜好が牽引 タン塩焼も「女性客の要望から」

女性の嗜好が飲食店のトレンドに大きな影響を与えている(イメージ。Getty Images)

女性の嗜好が飲食店のトレンドに大きな影響を与えている(イメージ。Getty Images)

 コロナ禍が続くいま、外食に出かけることも減ったが、日本にはミシュランガイドによる三つ星店からファミレスやファストフード、丼もの、和食、ラーメンなどさまざまな飲食業が発展している。駅前から国道沿いや住宅地に根付いている日本の「外食」事情を振り返ると、経済成長や女性の社会進出とも密接に関係していることがわかる。

『日本外食全史』(亜紀書房)の著者であり、作家で生活史研究家の阿古真理さんは、こう話す。

「昭和の時代、女性ひとりでは入りづらい飲食店が多かったのも、令和のいまは様変わりし、女性の意識もずいぶん変化しています」(阿古さん・以下同)

 女性の外食は、女性の地位向上はもちろん、グルメブームともリンクしている。

「1970年代頃までの主婦は、家とその周辺が活動の中心で、外食はほとんどしませんでした。1980年代に入り、女性の採用に熱心な企業が出てくると、自分のお金で男たちの聖域店に行く“オヤジギャル”と呼ばれる女性が出現。一方、グルメブームで、奥様がママ友とレストランなどでランチする風景も珍しくなくなりました。そこで、飲食店も女性の潜在力に注目し、女性用のメニューや店作りを行うようになったのです」

 様々なジャンルの外食産業で、女性を意識した店舗作りや商品開発がいまや主流。むしろ、女性の外食嗜好がブームを作る時代となっている。1976年に東京・六本木で開業した『叙々苑』も、女性に優しい店作りが特徴だ。

「2号店では1980年代に、当時登場したばかりの無煙ロースターを東京で最初に導入し、焼肉店の“油でベトベト”のイメージを一新。従来の焼肉店と違い、盛り付けの美しさにまでこだわり、女性客の要望に応える形で“タン塩焼”などの独自メニューも考案。食後のデザートサービスも好評です」(同社広報・松崎彰さん)

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